年金生活者でもキャッシングは申し込める?


年金生活者でもキャッシングは申し込める?
年金頼りの生活をしていて、収支が合わなくなることがあるでしょう。生活資金の足しとして、キャッシングを考える方もいるかもしれません。

ここでは、年金生活者はキャッシングできるのかという疑問にお答えします。あわせて、公的機関を利用した借入れ手段を紹介しましょう。

誰でも平等に年をとります。対岸の火事と考えていると、自分が受給者になったときに苦しむかも。老後のマネーライフを考える一環として、ご一読頂ければと思います。


 

年金受給者でも年齢制限を満たせば申し込み可能

結論から述べてしまうと、年金しか収入がない方でも年齢制限を満たしていればキャッシング、カードローンの申し込みはできます。代表的な銀行カードローン・消費者金融の年齢規定を、一覧にしてまとめてみました。

銀行のカードローンの年齢制限

三菱東京UFJ銀行カードローン バンクイック:満20歳以上65歳未満
みずほ銀行カードローン:満20歳以上満66歳未満
三井住友銀行カードローン:満20歳以上満65歳以下
イオン銀行カードローン:満20歳以上満65歳以下
オリックス銀行カードローン:満20歳以上65歳以下

消費者金融の年齢制限

アコム:18歳以上69歳以下
プロミス:18歳以上74歳以下※

※申込時の年齢が18歳および19歳の場合は収入証明書類の提出が必須。高校生(定時制高校生および高等専門学校生も含む)は申込不可。収入が年金のみの方は不可。

銀行のカードローンだと65歳まで・消費者金融だと69歳までというのが平均的な水準のようです。各社の年齢制限を満たしていれば、キャッシングできる見込みがあります。


 

年金生活者が審査をクリアするための注意点

ただし、キャッシングの申し込みできるからと言って、審査に通るわけではありません。審査をクリアするためには、年金が収入とみなされることを確認する必要があります。

65歳以上70歳未満の年金生活者は、消費者金融が主な選択肢になるはずです。消費者金融は貸金業法の規制を受けるので、収入の3分の1までしか借入れできないことに。年金を収入とみなすかどうかは、各社の規定で異なってきます。

ホームページに明記がない会社が多いので、実際のところはどうなのかを消費者金融数社に電話をして確認してみました。得られた回答を抜粋して紹介します。

アコム:ご年齢が65歳ということですが、年金以外のご収入はありますか。アルバイトなどのお仕事で、得られるお金です。年金だけだと、どうしてもご契約が難しくなります。ご希望に添えず、申し訳ございません。

プロミス:安定した収入があることが申し込みの条件です。ご年齢は75歳未満なら問題ないのですが、年金にプラスして何かアルバイトをされている状況でないと難しいです。

アイフル:少しでもご自身がお仕事をされていればご契約頂ける可能性があるのですが、年金だけでご生活されているとなると難しくなってしまいます。

SMBCモビット:何らかのお仕事をされている状況でないと、審査を進めることが難しいです。年金だけでご生活しているとなると、難しいかと思います。

中小規模の消費者金融や地銀系のカードローンを検討する場合も、要領は同じ。年齢制限を満たしていることを確認した上、打診の電話をしてみるといいでしょう。


 

状況が許せばアルバイトをはじめるのも一つの手

健康面で問題がなければ、簡単なアルバイトをはじめるのも一つの手です。アルバイト収入が入れば生活できるようなら、あえてキャッシングを使う必要がなくなります。

一定年齢以上の夫婦なら、どちらかが体調が優れないときに、片方の収入+キャッシングの借入れで生計をたてることが可能。健康面の不安が解消された時、また頑張って働いて、早期完済を目指します。

高齢者の再就職は難しいかのように言われますが、職種を選ばなければ働き口はたくさんあります。定年前に築いたキャリアとは畑違いの仕事になることがほとんどですが、悩んでいてはなかなか先に進めません。

清掃・マンション管理・医療施設の案内補助・宅配サービスのドライバーなど、いろいろな軽作業が見つかります。最寄りのハローワークに相談すると、可能な手だてを教えてくれます。

少しでもお給料を受け取りながら体力維持もできると考えれば、悪い道ではないはず。キャッシング契約を有利に進めるためにも、まずはアルバイト探しをしてみてはいかがでしょうか。

年金担保ローンをうたう違法貸金業者に注意する

悪質なキャッシング会社の中には「年金を担保にお金を貸す」とうたう業者もあります。大まかな手口は、自分の会社からお金を貸しておいて返済できなくなったときに公的融資制度を紹介するというものです。お金が入ったところで口座から預金を引きだして、紹介料を請求されます。

悪質な業者にかかると、必要以上にお金がとられてしまいます。どうしても借入れしなくてはいけない状況なら、年金担保貸付を検討しましょう。平成27年11月地点の利用条件とサービス詳細は、以下の通りです。

年金担保貸付

【融資条件】
・公的年金を受給中である
・年金の支給が停止されていない
・生活保護を受けていない

他、独立行政法人福祉医療機構の細かな規定があります。細かな条件については、必ず公式サイトを確認しましょう。

【融資金額】
・10万円〜200万円までで1万円単位
※ただし、利用目的が生活用品の購入の場合は10万円〜80万円。
※受給している年金年額0.8倍まで

【利率】
・年金担保融資なら実質年率1.8%

インターネットで検索してでてくる情報は、古い内容の可能性があります。平成26年12月1日より変更になった箇所に注意しましょう。主な変更点は、以下5つです。

【平成26年12月1日申し込み分からの変更点】
1.融資限度額上限250万円が200万円に引き下げ
2.生活必要物品の購入100万円から80万円に引き下げ
3.返済額上限を2分の1から3分の1以下に変更
4.資金用途を書面にしたものの確認が必要になりました
5.融資限度額上限250万円が200万円に引き下げ

資金用途として認められるのは、保健医療・介護福祉・住宅リフォーム・教育・冠婚葬祭・債務の一括返済・生活必需品の購入など。生活資金や旅行のための費用としては、利用が認められません。

注意してほしいのは、返済は年金から天引きで行われるということ。年金を生活資金として確保しておき、追加で必要な分を融資でまかなうという考えは、現実的ではありません。

あくまで最低限の生活が出来ている方が、急に必要になったお金を調達するために使う手段。少しでも不安を感じる場合は、本当に自分に適した借り入れと言えるのか福祉医療機構に相談しましょう。

年金だけでは生活できない現状は、深刻です。たくさんの高齢者が、生活保護と年金の同時支給を受けています。

頼れる近親者がいれば、まず相談してみましょう。子どもや孫と助け合って生きていくことは、恥ずかしいことではありません。

独り身なら、公共機関や民間団体の支援サービスを検討するのも一つの手。どうにもならない状況になって悲観するより、どうにか生活する手だてを考えましょう。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加