キャッシングによる借金は踏み倒せる?何年で時効になる?


キャッシングによる借金は踏み倒せる?何年で時効になる?
友人に貸したお金を放置していたところ「もう時効だから」なんて言われたことはありませんか?個人同士ならよくある話しというレベルですが、対法人ではどうでしょう。

ネット上には武勇伝とばかりに、借金を踏み倒した体験談があふれています。果たして、キャッシングの借金は本当に踏み倒すことができるのか気になりますよね?

ここでは、対貸金業者の時効成立条件を見ていきます。あわせて、合法的に借金をなくす自己破産のメリット・デメリットを紹介しましょう。今まさに延滞中で担当者からの電話を無視しているという方には、必須の知識。問題を直視したうえで、状況改善を目指しましょう。


 

キャッシングでできた借金は何年で時効になる?

商行為によってできた債権は、5年公使しないと消滅するとされています。キャッシング会社は、当然営利を目的にする団体です。「商行為」に該当するため、この規定が適用されます。

では、5年とはいつから計算すればいいのでしょう。法律の記載によると「権利を公使することができる日」から起算とのこと。少し分かりにくいので、具体例を交えながら見てみましょう。

たとえば、今日キャッシングしたとします。翌月6日に、最初の返済期日が到来しました。この日に返さなかったら、翌日7日から時効へ向けたカウントダウンがスタートします。以降5年間、一回も返済を行わなかったら債権は消滅。理論上、キャッシングの借金踏み倒しが成立します。

2回目以降から支払いが遅れた場合は、その日から計算スタートです。今日キャッシングして、翌月にはきちんと支払い・翌々月の6日に最初の遅延が起こった場合は、翌々月の7日から起算します。


 

実際には時効の中断があり5年以上かかる

注意してほしいのは、5年というのは、一切の中断がなかった場合の期限ということ。時効までの日数計算をリセットさせるために、時効の中断が行われるのが通常です。中断するためにキャッシング会社がとる方法としては、大きく3つ。

1.裁判上の請求

長期間返済が滞ると、支払督促状が届きます。この書面が届いた時点で、時効は一時中断。何もしないで放置すると、仮執行宣言の申し立てに進みます。
申し立てが行われると、正式に中断されることに。これまでの期間経過はなかったことになり、再び5年を経過するまで、踏み倒しはできません。

2.債務の承認

時効は、利用者が借入れの事実を認めないという前提のもとで成立します。途中で承認があれば、債務は中断されることに。承認をとるために、キャッシング会社からあらゆる連絡が来るはずです。

たとえば「可能な額だけでも払ってほしい」「一緒に返済計画を考えたいので書面にサインしてほしい」「支払約束証に署名してくれたらお金が出来るまで待つ」など。取り立てがやむならと要求をのむと、そこで債務中断です。

これは、5年たった後でも同じこと。時効が正式に成立した後に承認をすると、再び契約が有効になります。たとえ1円でも返した時点で、借金の事実を認めるという意思表示に。再び5年の計算がスタートして、踏み倒しすることはできません。

3.差し押さえ

督促状を無視していると、給料や預金口座の差し押さえが考えられます。口座に振り込まれた後の年金も、差し押さえの対象。何らかの財産を持っているなら、そこから返す仕組みです。差し押さえが行われると、時効も中断。これを繰り返している限り、踏み倒しはできません。

連絡を無視し続けたからと言って、時効が成立するわけではありません。たとえ5年逃げ切っても、何らかのきっかけで承認すれば同じこと。いつまでも不安におびえる日々が続きます。

きちんと働いているかぎり、踏み倒しは難しいということ。何年間も嫌な気持ちを抱えているより、返す努力をしていきましょう。どうしても難しい状況なら、債務整理を検討します。

自己破産は合法的に借金を踏み倒しをする最後の手だて

キャッシングの支払いがどうにもならなくなったときにとる最終手段が、自己破産。生活を再建するための、最後の手だてと考えてください。裁判所の許可がおりると、全ての債務支払いが免除されます。自己破産をすることで得られるメリットは、次の通り。

★自己破産のメリット
・取り立てがストップして精神的な負担が軽くなる
・給与差し押さえがなくなるので働いてリカバーできる
・最低限の生活は維持できる

免責になると、高価な資産は手放さなくてはいけません。持ち家なら、マイホームも対象に。最低限の生活を維持できる財産をのぞいては、全てとられてしまいます。また、ブラックリストに掲載されるので、キャッシングはもちろん、その他の新しい借入れもできなくなります。数年間は、大手消費者金融の利用は難しいと考えましょう。他、考えられるデメリットを下記します。

★自己破産のデメリット
・免責決定までは一部の職業に就職できない
・官報に名前や住所が記載される

制限される職業の例は、保険外交員や警察官など。在職中に手続きを進めると、仕事に支障がでるリスクがあります。官報を一般の人が見ることは少ないものの、その気になれば調査可能。興信所を使って調べられると、すぐにばれてしまいます。

選挙権がなくなったり、年金の受給権に影響が出たり。世間一般で言われるうわさの多くは、信憑性のない内容です。正しい情報をもとに、メリット・デメリットのどちらが大きいかを判断して、後悔のない選択をしてください。


 

借金の踏み倒しを考えるより前向きに相談を

理論としては、キャッシングの踏み倒しをすることは可能です。ただし、精神的なストレスが大きい行為。時効成立まで逃げ切れる方は、ほぼいないと考えましょう。本当に資産がない状況なら、自己破産を検討可能。デメリットはあるものの、新しい生活をはじめるきっかけになります。

少しでも預貯金があったり、換金できる資産があったり。借りたお金を返せる手段がある方は、キャッシング会社に相談しましょう。早く連絡すればするほど、返済計画がたてやすくなります。誠意を持って連絡してきた相手を、邪険に扱うことはありません。解決策を、一緒になって考えてくれます。

いつ連絡しようかと迷っている間も、遅延損害金は増えていきます。どんどん総返済額が増える悪循環。借りたお金は小額でも、すぐには返せない額にふくれあがる可能性も否めません。

目を背けていても、心配事がなくなるわけではありません。問題を直視して、安定した生活を目指す意識が不可欠です。どうしたらいいのか分からなくなった時こそ、キャッシング会社に相談すべき。

期日変更や条件緩和をしてもらうと、完済への道筋が開けます。借りたお金は、返すのが当たり前。借金の踏み倒しを考えるより、前向きに返済を進める気持ちを持ちましょう。

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