さて実はわたしが高価なAdobe PhotoshopやAdobe Illustratorを選んだかという最大の理由はこのレイヤー機能です。
今までの説明にも何度か出てきていますがこのレイヤーを操ってこそAdobe PhotoshopやAdobe Illustrator使いなのです。
昔学校などでOHP投影機ってよく使っていましたよね。世代によっては分らない方もいらっしゃるかもしれません。
最近ではPCからプロジェクターで投影してしまうようですが、まだ健在の学校もあるのではないでしょうか？
このレイヤーとはOHPの透明なシートだと思ってください。
1枚1枚にそれぞれのイラストや文字が描かれており重ねていくことでプレゼンになりますね。
Adobe Photoshopでも同様にシート（レイヤー）を重ね合せていくことができます。
次の写真ではレイヤー1．２，３とそれぞれ色を付けて半透明にしています。
黄、赤、青の三色が混ざると紫っぽくなっていますね。赤のレイヤー２を抜き取る（非表示にする）と黄と青で緑になっています。



もう少し具体的に例示して見ましょう。
ある人物がファッションの組み合わせに悩んでいます。全部着替えるのは大変です。
そこでまず顔写真（または白いTシャツ姿などの全体写真）を取り込みます。
これを一番下のレイヤーにセットします。続いて洋服をコピーしてきて上にレイヤーを重ねペーストします。
メガネ、帽子、靴などそれぞれレイヤーを重ねていきます。この際サイズ調整をしてください。
たとえば
帽子２
帽子1
ワンピース２
ワンピース１
靴２
靴１
本人
のようにレイヤーを重ねてそれぞれアイテムをコピーペーストして顔に（体に）合わせてサイズ調整していきます。
おそらく本人とすべて２の商品が見えているはずです。
若干のはみ出しや重なりなどは見なかったことにしましょう。

レイヤーウィンドウのレイヤー各項目に目のマークがあると思います。
それでは２のつくレイヤーの目をすべて閉じてください（目をクリック）。
すると1のアイテムに着替えました。
先ほどのOHPのフィルムからいくつか抜き取った状態になります。実際には抜き取らず見えなくしただけです。
再び2の項目をクリックして1を消してみましょう。さらに靴は1、帽子は2とファッションコーディネートをしてみてください。

文字POP（写真に値段や文字を重ねる）

もう一つ実例としてスーパーの販売促進ツールを挙げてみましょう。
こちらは実際の写真で説明してみましょう。
季節商品としてりんごのPOPを作ります。しかしまだ値段も産地もわかりません。
その上それぞれ代わる代わる入ってくる模様です。
仮にりんごの種類は富士。青森県産と長野県産、1箱3980円と1箱4980円の組み合わせで販売するとします。

まずりんごの写真、これは共通ですから一番下のレイヤーにセットします。
青森県産
長野県産
1箱3980円
1個4980円
りんご写真
の順番にレイヤーをセットします。
文字については外部ソフトで作成した物をコピー&ペーストしても構いません。
ワードアートや図表はAdobe Photoshopへコピー&ペーストで取り込めます。その方がやり易いかもしれません。



先ほどのファッションコーディネート同様にレイヤーを組み合わせて一つの画像を作り上げます。あとは印刷して店頭に貼りだすだけです。
Microsoft WordやMicrosoft Excelなどで作った場合は、変更がある度にそれぞれを書き換えなくてはなりません。
あらかじめ全部を用意しておくとなると4パターン以上のファイル（またはページ、シート）を作らなくてはなりません。
何もAdobe Photoshopはグラフィック関係者プロの方だけのソフトではないことはお判りいただけましたでしょうか？
ビジネスレベルでも重宝するソフトであることがお分かりいただけたでしょうか？

レイヤーの統合

もう編集する予定のないレイヤー同士は結合することができます。
レイヤーはそのままでも構いませんが無数に増えてしまうと分けが分からなくなります。
修正する予定のないものはまとめ、いらないレイヤーは削除したほうがすっきりします。
まだ編集するかもしれないと残した場合、気を付けていただきたい事が一つあります。
画面を全部選択してコピーしてもアクティブになっているレイヤーの部分だけしかコピーされてないということです。
ABCとあった場合、Bを含むレイヤーがアクティブならばBの部分だけしかコピー＆ペーストされません。
表示画像全体をコピーペーストしたい場合は「編集⇒結合部分をコピー」を選択してペーストしてください。
これにより下の非アクティブのレイヤーも一緒にコピーされます。

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