ギャンブル依存症とは


ギャンブル依存症とは
「パチンコのことばかり考えて夜も眠れない」「つい熱くなってしまうタイプでこのままではいけないと分かっていても株式投資にのめりこむ」「競馬のために家族に嘘をついている」「為替の値動きが気になって他のことが手につかない」こんな兆候が見られたら、ギャンブル依存症かもしれません。

いつかやってくる勝ちを信じてお金をつぎこんでいくうちに、借金がふくれあがってしまうリスクがあります。借金依存症とギャンブル依存症は、病気です。症状と対処法を知り、堅実な生活への足がかりとしてください。


 

借金しても繰り返す。借金・ギャンブル依存症とは

ギャンブル依存症とは、賭け事に勝ったときの高揚感が忘れられずに自分の意思ではやめることが出来なくなった状態です。

アルコール・薬物・タバコなどに依存する感情と原理としては同じです。ギャンブルをはじめたきっかけは、友人に誘われた・何となくおもしろそうだと思ったからなど、ちょっとしたことが引き金になります。

最初はそれほど関心を持っていなくても、精神的に弱ったタイミングで病的なまでに依存してしまうことがあります。初期段階では、本人としては「意思が弱くてやめられない」程度にしか考えていないケースが目立ちます。

周囲から見ても「仕方がないやつだ」としかとらえられないのが厄介なところ。病気を自覚しないままに、どんどん症状が進みます。

本気で何とかしたいと考えるようになるのは、お金を借りてまでギャンブルをするようになってからです。ギャンブル依存症に陥った方の心理として、一度の勝ちでは刺激が足りず、より大きな賭け金を投じるようになっていきます。

負けが続いたときには、とられてしまったお金を取り返そうと躍起になります。「次に勝てば帳消しになる」との想いがあるため、借金をすることに抵抗を感じません。

勝ったときに借金返済すればまだ助かりますが、そのまま次の勝負の資金にしてしまいます。勝つ時よりも負ける時の方が多くなるのが通常なので、借金を繰り返す負のスパイラルに陥ります。


 

借金・ギャンブル依存症になりやすい性格と原因

借金・ギャンブル依存症になりやすいのは、こんな性格の方と言われています。

・人と上手にコミュニケーションがとれない
・自分の感情を相手に伝えるのが苦手
・自己評価が極端に低くて何をやってもだめだと感じる
・仕事や学校で思うような成果をあげられていない
・完璧主義で少しの失敗すら許せない
・社会に取り残されているように感じる

まじめで自分に厳しい方ほど、ギャンブルに依存しやすいので気をつけましょう。たとえば「自分はだめなやつ」と思っていた方が、競馬でたまたま大きな勝利をおさめたとします。

これまでに味わったことがないような達成感やわくわくする気持ちを持つはずです。自分の才能を発揮できる分野がようやく見つかったかのような不思議な気持ちに陥ります。

失敗してしまった自分を認めることは、生きて行く道筋を再び失うということです。一度見つけた希望の光を、そう簡単に手放すわけにはいきません。

負けを家族に知られて、賭け事をしないように言われることも恐れます。負けを負けで終わらせないために、隠れてお金を借りてでも新しい勝負に出てしまいます。


 

身近な人のギャンブル依存に気付いても肩代わりしない

家族がギャンブル依存になっていることに気付いたらどうすればいいのでしょう。お金のことで頭が一杯になり苦しむ姿を目の当たりにすると、代わりに返してあげたくなります。

借金さえなくなれば、元のまじめで優しい性格に戻ってくれると考えるからです。残念ながら、依存症に陥った方の多くがこの方法では助かりません。

キャッシング枠に余裕ができれば、また借金をしてギャンブルに使います。数日はギャンブルから離れていても、脳内にこびりついた記憶はそう簡単に消えません。小さな勝ちと大きな負けを繰り返す生活に逆戻りして、また同じだけ借入れを重ねてしまうリスクがあります。

借金を肩代わりする立場で考えると、何度もお金を出してあげる余裕はありません。最初は返済が間に合いそうもない数万円貸すだけだったはずが、数十万円・数百万円と膨らんでいったらどうでしょう。

お金を貸してあげるために働く生活など、苦しさが募る一方です。借りる方は、人の気持ちまで気にする余裕がありません。親に借りられないなら兄弟、兄弟がだめなら従兄弟・叔父・叔母、さらに遠くの親戚など、あらゆる手段でお金を手に入れようと動きます。

たくさんの親戚を巻き込んでも借金問題が解決できないと、取り返しがつきません。大切なのはお金を貸して助けてあげることではなく、根本的な解決を考えること。どこかでストップをかけなければいけないものならば、早めに「それはできない」と断ってあげることこそ思いやりの気持ちです。

債務整理を検討して再出発を促す方法

自分たちではどうにもならないくらい借金がふくれあがってしまったら、法的に債務整理を行って再出発を促します。借金依存症が精神疾患として認知されるまでは、賭博によって作った借金の免責がおりないことも多々ありました。

近年では、本人に反省と再出発の意思がある場合は、免責許可がでることも考えられます。自己破産をすると財産の多くが没収されてしまう反面、その後数年間は借金ができない状況になるメリットがあります。

どんなにギャンブルをしたくても、資金がなくてはできません。キャッシングやカードローンの新規契約は難しくなるので、知らないところで再び散財させてしまう不安が軽減されます。

なお、自己破産した人をねらって営業をしてくる悪質なヤミ金融も中にはあります。ギャンブル依存が治っていない場合は、甘い誘いにのらないように気をつけましょう。

破産手続きをはじめたタイミングで、病院のカウンセリングを受ける手もあります。本人が病院に行くことを拒んでいるなら、自分だけでも家族を対象としたプログラムを検討しましょう。

依存症になってしまった家族との付き合い方を変えることで結束力が高まって、症状を改善できる可能性もあります。注意しても一向に改善にむかう気配が見られないと、周囲も一緒に落ち込んでしまいがちです。

家族一緒に体調を崩して働けない身体になってからでは、取り返しがつきません。家族を依存症にしてしまったのは自分が悪いと責めたてる必要はなく、これからについて前向きに考える気持ちを忘れないことが重要でしょう。

ギャンブル依存症になると、負けた悔しさが次の勝負へと駆り立てます。少し楽しむ娯楽の気持ちで取り組むならまだしも「勝たなくてはいけない」と思って意気込む心を捨てましょう。身近な人がギャンブルにはまってしまったら、機械と向き合うよりも楽しいことがたくさんあると気付かせてあげる必要があります。

外に連れ出したり会話する時間を増やしたりして、他のことに関心を向けさせる必要があります。借金依存症・ギャンブル依存症は、誰でもなる可能性がある病気です。他人事とは思わずに、自分や身近な人にも起こりうることと覚えておくといいでしょう。

※参考URL
ギャンブル依存症 – Wikipedia
【ギャンブル依存症のリアル】「まるで覚せい剤のよう…」どっぷりハマった夫婦の実話

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